いうまでもなく三國志は、中國の歴史(れきし)に取材(しゅざい)しているが、正史(せいし)ではない。けれど史中の人物を巧妙自在に拉ッして(らちする)活躍させ、後漢(ごかん)の第十二代霊帝(れいてい)の(わが朝(ちょう)の成務(wù)(せいむ)天皇(てんのう)の御世(みよ? ? 統(tǒng)治期間)、西暦(せいれき)百六十八年頃(ごろ))から、武帝(ぶてい)が吳(くれ)を亡ぼす太康元年(たいこうがんねん)までのおよそ百十二年間の長期(ちょうき)にわたる治亂が書いてある。構(gòu)想(こうそう)の雄大(ゆうだい)と、舞臺(ぶたい)の地域(ちいき)の広さは、世界の古典小説(こてんしょうせつ)中でも比類(ひるい)ないものといわれている。登場人物なども、詳らかに何千何萬にも登る(のぼる)であろう。しかも、これに加えるに中國一流の華麗豪壯(かれいごうそう)な調(diào)と、哀婉(あいえん)切々(せつせつ)の情、悲歌慷慨(ひかこうがい)の辭句と、誇張(こちょう)幽幻(ゆうげん)な趣(おもむき? ? 要點、風(fēng)趣、聽說)と、拍案三嘆(はくあんさんたん)の熱とを以て縷述(るじゅつ)されてあるので、読む者をして百年の地上に明滅(めいめつ)する種々(しゅじゅ)雑多(ざった)な人間の浮沈(ふちん)と文化の興亡とを、一巻に偲ばせて(しのばせて)、転(うたた? ? さらに、ますます)深思(しんし)の感慨に耽らしめる(ふけらしめる)魅力がある。
眾所周知,《三國志》雖然取材于中國歷史,卻并不是正史。作者用巧妙自如的筆法讓歷史中的人物栩栩如生地活魚起來。這部作品講述的是從后漢第十代皇帝靈帝時期(公元168年前后,相當(dāng)于日本成務(wù)天皇在位年代)到晉武帝滅吳的太康元年間約112年的治亂興亡。其構(gòu)想之宏大、舞臺之遼闊,堪稱在全世界的古典小說中也是無與倫比的。細(xì)細(xì)數(shù)來,書中登場人員該有成千上萬吧。加之作品中無處不在、撲面而來的曠放雄卓之豪氣、凄婉哀切之情愫、慷慨悲歌之辭句、夸張幽約之諧趣、拍案三嘆之激烈,娓娓道來,魅力無窮。令讀者的思緒情不自禁地閃回至百年間發(fā)生在這片大地上的種種人間沉浮與文化興亡,轉(zhuǎn)而掩卷深思,感慨不絕。
生詞
拉ち:らち
亡(滅)ぼす:ほろぼす
比類:ひるい
偲ぶ:しのぶ? ? 回憶、追憶;贊賞
? ? 舊里の母を偲ぶ
? ? 遺品を見てこじんを偲ぶ
耽らしめる:ふけらしめる? ? 使之沉迷于
耽る:ふける? ? 沉迷于
縷述:るじゅつ? ? 詳述
短語
いうまでもなく:很明顯
巧妙自在に:こうみょうじざいに? ? ? ? 巧妙自如地
およそ:大約
詳らかに:つまびらかに? ? 詳細(xì)地
? ? 事情をつまびらかに述べる
以て;もって? ? ???を以て? ? 手段、方法;因為,由于